少し前に銀閣寺の修復工事が終わりましたが、修復を行う際に重要視されていることがあるんだって。
その一つに、建物の部材はできる限り再利用することだそうだ。
木造建築の場合、腐朽しやすいため、部材の取替を余儀なくされるが、
この取替を最小限に押える工夫が必要となる。
建物の古い部材が使われていることが、古くから形を変えていない証拠になる。
つまり古い部材が建築の歴史を物語る生き証人でもある。
金閣寺は、1950年放火によって焼失し、この放火によって創建当時の室町時代の部材はすべてなくなってしまったのだ。
建物の姿は以前と変わらなくとも、失われた価値は大きい。
このため、金閣寺は国宝にも重要文化財にも指定されていないそうだ。
一方、銀閣寺は濡炉町時代の創建時の部材が残されているため、国宝に指定されている。
荘厳に光り輝く金閣の建物は、何の指定もなく、侘びと寂の世界を表現した静かな銀閣の建物は国宝・重要文化財に指定されている。なんだか以外な気がします。
こんな外見と中身のギャップ 建物だけでなく、私達人の中にもあるんじゃない?